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能面師 北澤秀太氏による展示作品 「Two Days of Noh」(2018年)

柳井イニシアティブは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校と東京にある早稲田大学の連携プロジェクトとして2014年に発足して以来、日本文化研究に持続可能で公平で世界と密につながる未来を拓くために活動してきました。

人口減少が進む一方の日本で大学が留学生の受け入れ人数を増やすにつれ、日本の過去に関する専門知識を次世代へ手渡していくうえで欠かせない役割を長らく担ってきた人文学プログラムが、ちょっとしたグローバル化の中心地になっています。日本の文学、演劇、映画、美術、ポップカルチャーなどを学びたい学部生たちが世界中から日本各地のキャンパスへやってきますが、日本語で書かれた資料にあたるだけの基礎的な語学力がないことも少なくありません。そこで大学側は、英語での講義を開講することになります。学部が丸ごと新設され、国際社会のいたるところで目につくようになった英語というグローバルな日常言語を使って、繊細かつ教養の薫り高い講義をおこなうことのできる教授陣が揃えられるのです。

柳井イニシアティブは、こうした現状が後々もたらすことになるだろうある種の弊害への懸念と、この状況に秘められたすばらしい可能性をいかしたいという熱い思いから生まれました。日本の研究機関が何世代にもわたって蓄積してきた知識やノウハウの価値が、日本の大学内部で別の価値観によって少しずつ日陰に追いやられるおそれがあるのなら、ファン層を広げてみようではありませんか。比較的せまい仲間内での情報伝達に慣れた研究者たちが、もっと幅広く、多様な研究者や学生と知識を共有し、同時に世界の別の地域で研究の場に飛びこむ機会を創りだせばいい。グローバル化の一つの波に、別の波で立ち向かうのです。

柳井イニシアティブの活動の原動力となっているのは、そんな思いです。発足当初はおもに学術的なプログラムやプロジェクトに力を入れていましたが、次第に文化の研究だけでなく実践のほうにも裾野を広げ、一般の方を対象としたプロジェクトやプログラムも打ち出してきました。

このサイトでは、わたしたちのこれまでの活動や、現在進行中の活動を紹介しています。大規模な学術シンポジウムの主催、大学院生への研究支援、バックグラウンドや活動地域の異なる研究者たちが横のつながりに加えて友情をも育める機会の創出。新しい世代の日本語文芸翻訳家の育成や、文芸翻訳関連の重要プロジェクトへの支援もおこなっています。規模の大小を問わず、文学、舞台芸術、映画、デザイン、音楽、アート、食、建築などに関するイベントを開催し、教育目的のスマホ用アプリやその他のデジタルコンテンツも制作しています。わたしたちは、日本文化研究を世界規模で包摂的かつ公平なものにするために邁進しているのです。

UCLA

Michael Emmerich

マイケル・エメリック

Michael Emmerich

ディレクター

日本文学が専門の、UCLA教授、早稲田大学教授。前近代、近世、近代、現代の日本文学に取り組む研究者であり、長篇級の翻訳作品多数を発表。日本語学習者向けの書籍2冊の編者でもあり、日本の新聞・雑誌で数多くのコラムも執筆している。

エリザベス・レスター

Elizabeth Leicester

アソシエイト・ ディレクター

2022年より柳井イニシアティブにアソシエイト・ディレクターとして入職。前職では15年間UCLAのアジア太平洋センターで事務局長として学術プログラム、広報活動そして国際パートナーシップの拡大と強化に携わる。コロンビア大学にて学士号、スタンフォード大学東アジア研究の修士号、UCLAにて日本史研究の博士号を取得。近世日本における女性とジェンダーに関する研究と翻訳を行い、東アジアの歴史と文化に関する講義を担当した。

Yixin Zhu

イシン・ジュ

Yixin Zhu

プロジェクト・マネージャー

UCLA卒業生であり、2015年にアジア言語文化学科に着任して以来、柳井イニシアティブのプロジェクト・マネージャーを務める。これまでの柳井イニシアティブの各種イベントやプロジェクトを実現に導いた立役者。UCLAアンダーソン経営大学院やサンフランシスコ大学勤務を経て現職。

早稲田

Michael Emmerich

マイケル・エメリック

Michael Emmerich

共同ディレクター

日本文学が専門の、UCLA教授、早稲田大学教授。前近代、近世、近代、現代の日本文学に取り組む研究者であり、長篇級の翻訳作品多数を発表。日本語学習者向けの書籍2冊の編者でもあり、日本の新聞・雑誌で数多くのコラムも執筆している。

Toeda Hirokazu

十重田裕一

Toeda Hirokazu

共同ディレクター

東京都生まれ。博士(文学)。大妻女子大学を経て、2003年から早稲田大学教授。コロンビア大学客員教授・客員研究員、カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員教授、スタンフォード大学客員教授などを歴任。第26回窪田空穂賞、第30回樋口一葉記念やまなし文学賞研究・評論部門などを受賞。

Yamazaki Sanae

山嵜早苗

Yamazaki Sanae

プロジェクト・マネージャー

システムエンジニア、マーケティング・コンサルタントを経て早稲田大学に2014年入職。5年間の研究院事務所での広報・イベント担当後、2021年に柳井イニシアティブのプロジェクト・マネージャーとして参加。休日はウォーキングやヨガを楽しむ一方、スポーツボランティアとして活躍している(東京マラソン等のマラソンイベント、東京オリンピック・パラリンピック2020等の国際大会、etc)。

Jōkō Yumi

上甲由美

Jōkō Yumi

プロジェクト・マネージャー

2015年より「柳井イニシアティブ グローバル・ジャパン・ヒューマニティーズ」の日本側プロジェクト・マネージャーを務める。この間、数多の文化イベントや学術・文化プログラムのファシリテーションを手伝う。この仕事を通じて得た教訓や人脈、身につけた知識は自身のキャリア最高の宝だと感じている。

 

共編:マイケル・エメリック、エルキ・フータモ

共同出版:柳井イニシアティブ、全米日系人博物館(2022年)